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2023.08.31
プリント基板実装を支える技術とは?奥が深いはんだ付けの世界
こんにちは、津田製作所です。
前回の記事では基板実装の基礎知識として実装工程を解説させて頂きました。
≫基板実装とは?実はあなたの日常生活に欠かせないものだった!基板実装の基礎知識
今回はその基板実装にもう一歩踏み込み、実装時に行われている「はんだ付け」技術についての情報を共有していきたいと思います。
プリント基板実装技術は、電子機器の進化とともに急速に進化してきました。しかし、技術が進化しても昔からプリント基板実装の中心はやはりはんだ付けの技術です。
そんなはんだ付けの技術で、当社の事業で主に使用している
と言った、はんだ付けの技術に焦点を当てて解説します。
はんだ付けの技術を学ぶために、まずはその歴史を確認してみます。
現在、世の中のほとんどの機械ににプリント基板が使用されている事は前回もお伝えしました。そのプリント基板にはほぼ必ず「はんだ付け」が行われていますので、必然全ての電子機器は、はんだ付けが支えているとも言えます。ではそのはんだ付けの技術にはどう言った歴史があるのでしょうか。
はんだ付けの技術は、はるか古代から存在していたようです。
古代ローマや古代エジプトでは、金属の接合や装飾品の製作に使用され、中世のヨーロッパでは、教会のステンドグラス製作にもはんだ付けの技術が活用されていたことが記録に残っているようです。
[ろう付け](融点が450度以上の硬鑞を用いた[ろう接])には遅れるものの、はんだ付け(融点が450度未満の軟鑞を用いたろう接)の歴史も古い。
[紀元前3000年]頃にははんだ付けが存在したと考えられている。[ツタンカーメン王]の墓からもはんだ付けを使った装飾品が出土している。
[ギリシャ]-[ローマ]時代になると、水道配管を錫-鉛はんだではんだ付けした記録が残されている。
[中国](では、少なくとも[紀元前300年]頃には、はんだ付けした壷が存在していた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
つまり最初は単純に物と物をくっつける技術として使用されていたのですね。
しかし19世紀に入ると電気の発見とともに通電のためのはんだ付けが始まりました。そしてさらに20世紀に入ると、トランジスタや集積回路の発明により物と物の接合、通電もさることながら「機械を動作させるための電気的な接続をする事」に目的が変化していったようです。
はんだ付けの歴史で確認した通り、現在のはんだ付けは、集積回路を動作させるために電気的な接続をする事を目的としています。それを実際に叶える手法として、津田製作所ではどのような技術を駆使しているのかをさらに共有して行きます。
手作業はんだは、その名の通り手作業で行われるはんだ付けの方法です。
特に小規模な生産や試作品の製造時に使用されることが多いです。当社では基板の修理事業等でも大活躍しています。近年はんだ付けの機械化が進む中、手作業最大の特徴はなんと言っても高い柔軟性を持っていることです。機械ではできない形状、順番、複雑性に対応します。
どんなに時代が進化しても、やはり手作業が必要な場面は多く、マイクロソルダリング技術資格等を持ったプロフェッショナルが活躍・重宝されます。
しかし事業上では、作業者の技術や経験によってはんだ付けの品質が変わるため、一貫した品質を保つことがとても難しいと感じています。
フローはんだは、機械でのはんだ付け方法の事を指します。はんだを溶かして流れるようにして部品を基板に取り付ける方法です。
こちらの動画が非常に参考になります。
機械でのライン作業となるため大量生産に適しており、一度に多くの部品をはんだ付けすることができます。この方法の特徴は、高い生産効率と一貫した品質を実現できます。
ただし、特殊な設備が必要なため、個人などで導入する事は難しいです。津田製作所の主力の実装方法の一つとなっています。
リフローはんだ付けも機械でのはんだ付けの方法の事を指しますが、フローはんだとはまた異なる方法で基板実装を行なっています。
はんだペーストを使用して部品を基板に取り付け、その後一気にオーブンのように加熱してはんだを溶かす方法です。イメージとしては食パンの上にバターを乗せてオーブンで加熱しその溶け出して液状化した部分をくっつけてしまうという凄い方法です。
こちらの動画が非常に参考になります。一体誰が考えたんでしょうかこんな方法…
この方法はSMT(Surface Mount Technology)の主要なはんだ付け方法として広く使用されています。
SMTの生産方法の採用はお客様の設計に委ねられますが、非常に効率が良く、精度の高い製造が可能であるため津田製作所ではこの方法で実装される基板が一番多くなっています。
今回は、基板実装の製造工程を支えるはんだ付けの技術について解説させて頂きました。
こんな方々に参考になれば幸いです。
次回は手動・機械ではんだ付けを行うために必要な知識や資格について詳しく解説予定です。引き続き一緒に基板実装についての知識を高めていきましょう!
最後に、
PC一台に使われている部品のはんだ付けされた箇所は何ヶ所あると思いますか?
興味がある方はぜひ調べてみてください!
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